衛生管理者試験に出題される局所排気装置の覚え方を紹介!
衛生管理者で出題される局所排気装置の覚え方
衛生管理者試験で出題される局所排気装置の覚え方は、局所排気装置の『フードの種類と特徴』になります。
「局所排気装置」とは・・・工場などで発生する有害物質を作業員が吸い込まないよう、有害物質の発生源近くにフード(空気の吸込み口)を設けて吸引、ダクトを通して搬送し、排気ファンによって屋外へ排出する換気装置のことです。
局所排気装置のフードの種類と特徴についてしっかりと覚えましょう。
局所排気装置の「フードの種類」と「特徴」
衛生管理者試験に頻出する局所排気装置のフードの種類と特徴を紹介します。
局所排気装置のフードには多くの種類がありますが頻出する3つのフードの種類と特徴を覚えましょう。
《局所排気装置の基本構成》
汚染された空気は、下記の装置の順に流れて排気されます。
- フード
- 吸込ダクト
- 空気清浄装置
- ファン
- 排気ダクト
- 排気口
《局所排気装置の「フードの種類」と「特徴」》
フードの種類 | 特徴等 | 排気効果の順位 |
---|---|---|
囲い式フード | フードで発生源を覆う形なので吸引力が高い。まわりの気流の影響を受けにくく、小さい風量で高い効果が得られる、最も効果的なフード。 | 1 |
外付け式 | 開口面の外にある発生源の周囲に吸込み気流をつくり、まわりの空気と一緒に有害物質を吸引するもの。排風量を大きくしないと十分な能力が得られない。まわりの気流の影響を受けやすく、囲い式に比べて効率は劣る。吸込み気流の向きにより下方吸引型、側方吸引型、上方吸引型がある。 | 2 |
レシーバー式 | 発生源に熱による上昇気流、回転に伴う気流があり、有害物質がその気流に乗って飛散するときに、気流の方向に沿って粉じん、ガス、蒸気を捕集するように設けたフード。 | 3 |
《局所排気装置の「フードの細分種類」と「細かい特徴」》
フードの種類 | 特徴 | |
---|---|---|
囲い式フード | カバー型 グローブボックス型 |
発生源がフードにほぼ完全に囲い込まれていて、隙間程度の開口部しかないもの |
ドラフトチェンバ型 建築ブース型 |
発生源はフードに囲い込まれているが、作業の都合上、囲いの1面が開口しているもの | |
外付け式 | スロット型 | フードが細かく、制御風速を高められる |
ルーバー型 | 整流板により、一定方向に気流を導くもの | |
グリッド型 | 作業台をフードにしたもの | |
レシーバー式 | キャノピー型 | 発生源からの熱による上昇気流がある場合にそれを利用するもの |
カバー型(グラインダ型) | 有害物の飛散速度を利用するもの |
局所排気装置を覚えるなら参考書
衛生管理者試験勉強には、図解が多くある参考書を使いましょう。
- 囲い式フード
- 外付け式
- レシーバー式
と説明しましたが、図解がないとどんな局所排気装置なのかイメージし難いですよね。
そんなイメージし難い局所排気装置ですが、図解があれば局所排気装置がイメージしやすく覚えやすくなります。衛生管理者試験には、図解が多く掲載されている参考書を1冊準備しておきましょう。
おすすめ参考書No1!村中一英先生の衛生管理者参考書になります。
その他の衛生管理者の参考書も確認したければ、参考書ランキングを『第一種衛生管理者試験のおすすめ参考書!あなたにピッタリの参考書が見つかる』参考にして下さいね。
衛生管理者の過去問【局所排気装置】
衛生管理者試験の過去問で『局所排気装置』に関する出題を確認しましょう。
衛生管理者試験は、2016年度以降出題傾向が変わり過去問だけの勉強では合格が難しくなっています。
更に2021年の衛生管理者試験は、一段と難しくなっており合格率が異常に低下しています。
『【2021年】第一種衛生管理者試験の合格率を推測!2021年の難易度が分かる』で2021年の衛生管理者の合格率と正しい勉強方法を紹介しています。
衛生管理者!局所排気装置《2020年4月過去問出題》
2020年4月の衛生管理者過去問掲載の局所排気装置の問題!
【問11】局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
- フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すので、大きな排風量が必要となる。
- ドラフトチェンバ型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、外付け式フードに分類される。
- 建築ブース型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、外付け式フードに分類される。
- ダクトは、曲がり部分をできるだけ少なくするように配管し、主ダクトと枝ダクトとの合流角度は45°を超えないようにする。
解答・解説を表示する
解答(5)
解説:(1)断面積が大きくなるほど圧力損失は減少します。(2)フランジがあると整流作用が増すので、少ない風量で排気ができます。(3)(4)紹介した頻出項目が出題されています。(5)ダクトは曲がり部分が多いほど吸入の損失が大きくなります。また、ダクトの合流部分は角度を大きくした方が損失が少なく、45°を超えないようにします。
衛生管理者!局所排気装置《2020年10月過去問出題》
2020年10月の衛生管理者過去問掲載の局所排気装置の問題!
【問19】局所排気装置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- ダクトの形状には円形、角形などがあり、その断面積を大きくするほど、ダクトの圧力損失が増大する。
- フード開口部の周囲にフランジがあると、フランジがないときに比べ、気流の整流作用が増すので、大きな排風量が必要となる。
- ドラフトチェンバ型フードは、発生源からの飛散速度を利用して捕捉するもので、外付け式フードに分類される。
- 建築ブース型フードは、作業面を除き周りが覆われているもので、囲い式フードに分類される。
- ダクトは、曲がり部分をできるだけ少なくするように配管し、主ダクトと枝ダクトとの合流角度は60°を超えないようにする。
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解答(4)
解説:(1)断面積が大きくなるほど圧力損失は減少します。(2)フランジがあると整流作用が増すので、少ない風量で排気ができます。(3)(4)紹介した頻出項目が出題されています。(5)ダクトは曲がり部分が多いほど吸入の損失が大きくなります。また、ダクトの合流部分は角度を大きくした方が損失が少なく、45°を超えないようにします。
衛生管理者!局所排気装置《2021年4月過去問出題》
2021年4月の衛生管理者過去問掲載の局所排気装置の問題!
【問14】局所排気装置のフードの型式について、排気効果の大小関係として、正しいものは次のうちどれか。
- 囲い式カバー型>囲い式建築ブース型>外付け式ルーバ型
- 囲い式建築ブース型>囲い式グローブボックス型>外付け式ルーバ型
- 囲い式ドラフトチェンバ型>外付け式ルーバ型>囲い式カバー型
- 外付け式ルーバ型>囲い式ドラフトチェンバ型>囲い式カバー型
- 外付け式ルーバ型>囲い式建築ブース型>囲い式グローブボックス型
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解答(1)
解説:囲い式ではカバー型>グローブボックス型>ドラフトチェンバ型>建築ブース型の順で排気効果が大きいです。
各項目の過去問を『衛生管理者試験(第1種・第二種) の過去問題解説!』にまとめています。局所排気装置以外の過去問を確認してみて下さい。
衛生管理者試験の局所排気装置について【まとめ】
衛生管理者試験では、『局所排気装置の種類』と『局所排気装置の特徴』を覚えることで解答できます。
フードの種類 | 特徴等 | 排気効果の順位 |
---|---|---|
囲い式フード | フードで発生源を覆う形なので吸引力が高い。まわりの気流の影響を受けにくく、小さい風量で高い効果が得られる、最も効果的なフード。 | 1 |
外付け式 | 開口面の外にある発生源の周囲に吸込み気流をつくり、まわりの空気と一緒に有害物質を吸引するもの。排風量を大きくしないと十分な能力が得られない。まわりの気流の影響を受けやすく、囲い式に比べて効率は劣る。吸込み気流の向きにより下方吸引型、側方吸引型、上方吸引型がある。 | 2 |
レシーバー式 | 発生源に熱による上昇気流、回転に伴う気流があり、有害物質がその気流に乗って飛散するときに、気流の方向に沿って粉じん、ガス、蒸気を捕集するように設けたフード。 | 3 |
局所排気装置の特徴は、その他沢山ありますので参考書で詳細まで確認して行きましょう。