衛生管理者を業務委託する方法!労働基準局長からの通知で衛生管理者の業務委託が可能になった。
- 衛生管理者を業務委託する方法
- 業務委託する条件を確認する
- 衛生管理者を効率的に社員に取得させる方法
衛生管理者を業務委託できる方法
衛生管理者は、一定条件下で業務委託することができます。
労働基準局長からの『平成18年3月31日通達:自社の労働者以外の者を衛生管理者等に選任することについて』で業務委託可能になりました。
業務委託できることをご存知ない人もいるかもしれませんので、
- 衛生管理者を業務委託できる場合とは?
- 衛生管理者を業務委託する場合の注意点とは?
などについて知識をアップデートしましょう。
衛生管理者を業務委託できる場合
衛生管理者を業務委託できる場合とは、「危険有害要因の少ない業種」で一定の条件を満たす時です。
条件は次の3つの通りです。
- 第二種衛生管理者を選任できる業種
- 選任された者が常駐する
(一定期間雇用、継続的に衛生管理業務) - 選任された者が実務を行う
「危険有害要因の少ない業種」とは、金融業、保険業、サービス業、情報通信業で、第二種衛生管理者を選任できる業種のことになります。
これらの業種なら危険有害要因について専門的な知識を持っていなくても必要な衛生管理措置が行えるからという判断ですね。
業務委託する場合の留意点
衛生管理者を業務委託する場合、業務委託者に『衛生管理者業務に必要な権限や情報を付与する』でポイントは4つ。
- 衛生管理者の能力向上に努めること
- 衛生管理者業務に必要な権限を付与すること
- 事業場の安全衛生に関する情報を十分に提供すること
- 個人情報保護に関する事項を契約において明記すること
衛生管理者を、業務委託したにもかかわらず選任した人に衛生管理業務をさせない『名ばかり委託』では通知違反となります。
業務委託者がが、衛生管理者業務を遂行できるよう、権限や情報を十分に提供しなければなりません。
そのため、業務委託した人に「社員の健康診断結果」「長時間労働の実態把握や管理者への打診」「衛生委員会への参加」など一任する必要があります。
衛生管理者を業務委託で確保!一時的対応
衛生管理者を業務委託で確保できたからといって安心してはいけません。
業務委託することで、衛生管理者を確保できましたがデメリットは存在します。
- 適正な報酬が発生し続ける
- 社内で衛生管理者が育成しない
- 業務委託が更新されない可能性がある
そのため望ましい解決策はやはり、社員に衛生管理者の資格取得を促進することです。
社員に衛生管理者の資格取得を促進
社員に衛生管理者の資格取得を促進し、資格保有者が増えればさまざまな問題を解決できますよ。
- 業務委託に頼らずに内製化できる
- 異動やジョブローテーションがしやすい
- 前任者が退職・休職しても、新たに選任できる
- 新しい事業所の立ち上げに必要な人員を割ける
- 一人の衛生管理者に対する責任や負担が軽減できる
そして、人事・総務部門や経営陣は、社員が自発的に資格取得する環境を整えましょう。
- 資格手当を支給する
- 資格手当をアップする
- 衛生管理者講習を開催する
- 衛生管理者の勉強方法を案内する
資格手当を支給・アップすることで社員のモチベーションを高め、具体的な勉強方法や講習会で学習をサポートすれば、資格取得を促進できますね。
衛生管理者の資格手当については『衛生管理者の資格手当!一般的な手当相場と衛生管理者の難易度』で紹介しておりますので支給額の参考にして下さい。
衛生管理者の勉強方法!
衛生管理者の最新の勉強方法は、オンライン講座を使ったものになります。
- 動画で、衛生管理者知識を効率的にインプット
- スマホがあれば、時間・場所を気にせず勉強可能
- 演習問題で、苦手科目を洗出し集中して弱点克服
参考書・問題集だけで勉強するスタイルは、忙しい社会人にとって非効率です。
始めて衛生管理者の勉強をする人向けのオンライン講座ランキングは『【最新版】おすすめのオンライン講座ランキング【初学者向け】』で審査基準も公開して紹介しています。
衛生管理者の業務委託について【まとめ】
衛生管理者を業務委託するには3つの条件をクリアーする必要があります。
- 選任された者が実務を行うこと
- 選任された者が事業所に常駐し継続すること
- 第二種衛生管理者が選任できる業種であること
出来ることなら衛生管理者を業務委託に頼るのではなく、社員自らが衛生管理者になり職場環境改善できる体制を整えるのが一番でしょう。