衛生管理者試験に出題される安全衛生管理体制について紹介!
- 安全衛生管理体制について
- 安全衛生管理体制の過去問題
- 衛生管理者の過去問まとめ!
安全衛生管理体制の覚え方
衛生管理者試験で出題される安全衛生管理体制の覚え方は、安全衛生管理体制を設けるべき『事業場の業種』『衛生管理者などの選任要件』になります。
「安全衛生管理体制」とは・・・安全衛生のための施策を推進するために、産業医や衛生管理者などを選任設置し組織することです。
労働安全衛生法第10条~第19条に安全衛生管理体制について定められています。
どのような事業場で安全衛生管理体制が必要なのか、また衛生管理者などの選任要件をしっかりと覚えましょう。
安全衛生管理体制が必要な事業場・衛生管理者の選任要件
衛生管理者試験に頻出する安全衛生管理体制を紹介します。
一定数の従業員規模の事業場、一定の有害業務を行う事業場には、安全衛生管理体制の設置が義務付けられています。
衛生管理者試験に出題される安全衛生管理体制は、下記の3つの選任要件となります。
- 衛生管理者
- 産業医
- 総括安全衛生管理者
《衛生管理者の選任要件》
労働者数 | 衛生管理者数 | 専任要件① | 専任要件② | 専任要件③ |
---|---|---|---|---|
50~200人 | 1 | 専任要件なし | 専任要件なし | 専任要件なし |
201~500人 | 2 | |||
501~1,000人 | 3 | 1人は専任 | 1人は専任 1人は衛生工学衛生管理者から選任 |
|
1,001~2,000人 | 4 | 1人は専任 | ||
2,001~3,000人 | 5 | |||
3,001人~ | 6 |
※専任要件①:寒冷・振動・重量物・騒音に関する業務に30人以上
※専任要件②:坑内・暑熱・放射線・粉じん・異常気圧・ガスに関する業務に30人以上
※専任要件③:専任要件①②以外
『専任』とは、衛生管理者の業務を専属で行うことになります。「選任」と意味合いが違うので注意が必要です。
《産業医の選任要件》
常時使用労働者数 | 産業医の数 | 専属要件① | 専属要件② |
---|---|---|---|
50~499人 | 1 | 専属の必要なし | 専属の必要なし |
500~999人 | 1 | 専属の産業医が必要 | |
1,000~3,000人 | 1 | 専属の産業医が必要 | |
3,001~ | 2 |
※専属要件①:深夜業・坑内・暑熱・寒冷・放射線・粉じん・振動・重量物等に関する業務
※専属要件②:専任要件①以外
『専属』とは、産業医がその事業場に常勤することになります。
《総括安全衛生管理者の選任要件》
従業員規模 | 業種 |
---|---|
100人以上 | 林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業などの屋外の業種 |
300人以上 | 製造業、通信業、電気業などの屋内の業種 |
1,000人以上 | その他の業種 |
衛生管理者の過去問【安全衛生管理体制】
衛生管理者試験の過去問で『安全衛生管理体制』に関する出題を確認しましょう。
ちなみに衛生管理者試験は、2016年度以降出題傾向が変わり難易度が上がってきています。
過去問だけを繰り返し勉強するのではなく、衛生管理者試験の意図を読み取り過去問出題範囲を勉強しないと衛生管理者試験委には合格できませんよ。
衛生管理者試験に合格できる勉強法は『あなたに合った衛生管理者試験の勉強方法!自身の認知特性を分析する』で書いていますので役立てて下さい。
衛生管理者!安全衛生管理体制《2019年10月過去問出題》
2019年10月の衛生管理者過去問掲載の安全衛生管理体制の問題!
【問1】常時800人の労働者を使用する製造業の事業場における衛生管理体制に関する(1)~(5)の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、800人中には、製造工程において次の業務に常時従事する者が含まれているが、他に有害業務に従事している者はいないものとし、衛生管理者及び産業医の選任の特例はないものとする。
鉛、クロム及び一酸化炭素の粉じん、蒸気又はガスを発散する場所における業務・・・30人
深夜業を含む業務・・・300人
- 衛生管理者は、3人以上選任しなければならない。
- 衛生管理者のうち1人については、この事業場に専属ではない労働衛生コンサルタントのうちから選任することができる。
- 衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を有する者のうちから選任しなければならない。
- 衛生管理者のうち少なくとも1人を、専任の衛生管理者として選任しなければならない。
- 産業医は、この事業場に専属の者を選任しなければならない。
解答・解説を表示する
解答(5)
解説:この事業場は常時800人の労働者を雇用していますが、深夜業、粉じんに関わる業務に500人以上従事させていません。従って、この事業場に専属の産業医を選任する必要はありません。
衛生管理者!安全衛生管理体制《2020年10月過去問出題》
2020年10月の衛生管理者過去問掲載の安全衛生管理体制の問題!
【問1】常時 800人の労働者を使用する製造業の事業場における衛生管理体制に関する(1)~(5)の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、800人中には、製造工程において次の業務に常時従事する者が含まれているが、他に有害業務に従事している者はいないものとし、衛生管理者及び産業医の選任の特例はないものとする。
鉛の粉じんを発散する場所における業務 ・・・30人
深夜業を含む業務・・・300人
- 衛生管理者は、3人以上選任しなければならない。
- 衛生管理者のうち1人については、この事業場に専属ではない労働衛生コンサルタントのうちから選任することができる。
- 衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を有する者のうちから選任しなければならない。
- 衛生管理者のうち少なくとも1人を、専任の衛生管理者としなければならない。
- 産業医は、この事業場に専属の者を選任しなければならない。
解答・解説を表示する
解答(5)
解説:この事業場は常時1,000人以上の労働者を雇用していませんし、深夜業・粉じんに関わる業務に500人以上従事させていませんので、この事業場に専属の産業医を選任する必要はありません。
衛生管理者!安全衛生管理体制《2021年4月過去問出題》
2021年4月の衛生管理者過去問掲載の安全衛生管理体制の問題!
【問1】常時250人の労働者を使用する運送業の事業場における衛生管理体制に関する(1)~(5)の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、250人中には、次の業務に常時従事する者が含まれているが、その他の有害業務はないものとし、衛生管理者の選任の特例はないものとする。
深夜業を含む業務・・・200人
多量の低温物体を取り扱う業務・・・50人
- 総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
- 衛生管理者は、2人以上選任しなければならない。
- 衛生管理者は、全て第一種衛生管理者免許を有する者のうちから選任することができる。
- 衛生管理者のうち少なくとも1人を専任の衛生管理者としなければならない。
- 衛生管理者のうち、1人は専属でない労働衛生コンサルタントを選任することができる。
解答・解説を表示する
解答(4)
解説:この事業場は、常時250人の労働者を使用する事業場なので専任の衛生管理者は必要ありません。
各項目の過去問を『衛生管理者試験(第1種・第二種) の過去問題解説!』にまとめています。安全衛生管理体制以外の過去問を確認してみて下さい。
衛生管理者試験の安全衛生管理体制について【まとめ】
衛生管理者試験の安全衛生管理体制について
- 衛生管理者
- 産業医
- 総括安全衛生管理者
の選任人数ついて細かく確認していきましょう。
覚え方としては、『人数の区切り』を覚えるのが効率的な覚え方となります。